白菜のべと病対策を徹底解説!発生原因から予防・対策法まで

白菜のべと病対策を徹底解説!発生原因から予防・対策法まで

白菜の栽培において「べと病」は、収量や品質を損なう深刻な病害の一種です。

この記事では、白菜のべと病の症状や原因から、具体的な予防・対策方法までを詳しく解説します。

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白菜のべと病とは?

べと病は、白菜などのアブラナ科の他にキュウリ等のウリ科野菜に感染する病害です。この病気は、生きた植物からしか栄養分を吸収できない純寄生菌ですが、卵胞子という状態で土壌中に残って越冬し、翌シーズンの感染源になるなど、抑えるのが難しい病害です。

べと病の主な症状と見分け方

べと病の症状は、次のように葉の表と裏に現れます。

葉に現れる特徴

葉の表面にはまず、淡黄色の不規則な斑紋が現れて、これが次第に拡大して不整形、または葉脈で区切られた多角形の淡褐色の病斑になります。病斑部の葉裏には、汚白色の霜状のカビが形成されます。この白いカビは、べと病を診断する上で重要な手がかりとなります。結球部の葉柄に発症した場合では、不整形で黒っぽいへこんだ病斑を作ることもあります。

べと病が発生しやすい条件と原因

べと病は、特定の条件下で発生しやすい傾向にあります。その原因を理解することで、予防策を立てることができます。

湿度の高い環境と密植による影響

べと病菌の胞子は、雨や朝露などの水滴によって運ばれ、葉の気孔から侵入して感染が広がります。べと病は、一般的に湿度の高い環境で発生が促される傾向にあります。特に、夜間の低温と日中の高温の差が大きい時期には、結露によって葉がぬれやすく、病気が発生するリスクが高まります。また、株間が狭い密植状態では、湿度が高くなりやすいため、病原菌が繁殖するのに適した環境が作られてしまいます。一方、べと病の第一次伝染源となるのは、被害を受けた葉などの残渣(残渣とともに土壌中で越冬した卵胞子)と考えられているため、発病が見られた株は抜き取り、圃場外で処分することが求められます。

白菜のべと病を効果的に予防する栽培管理と対策

べと病の被害を最小限に抑えるには、発生を未然に防ぐことが最も効果的です。ここでは、具体的な予防策と対策について解説します。

発生を防ぐための管理のポイント

排水性の改善と適切な畝(うね)立て

水はけの悪い圃場は、土壌が常に湿った状態になり、病原菌が繁殖しやすい環境となります。高畝にしたり、圃場の周囲に排水溝を設けたりして排水性を高めることが有効です。

適切な株間を確保する密植回避

白菜の密植は、風通しを悪くし、湿度を上げる原因となります。適切な株間を確保して、葉が乾きやすくすることで、べと病の発生を抑制することができます。

施設栽培における換気の徹底

ビニールハウスを使った施設栽培やトンネル栽培などの作型では、特に湿度管理が重要です。定期的な換気を行い、余分な湿気を逃がすことで、べと病の発生リスクを低減させます。

耐病性品種の活用

べと病に耐病性のある品種を利用することで、その発生を抑えたり、万が一発病したとしても、発病の程度を小さく抑えたりすることが可能になります。

適切な肥培管理

肥料が多すぎて窒素過多になると、そもそも白菜の生育が軟弱となり病害虫に侵されやすくなってしまいます。一方で、白菜の成長過程において肥料が欠乏して生育が悪くなる「肥切れ」も、べと病の感染を助長するため注意が必要です。

 

発生初期の対処法と拡大を防ぐためのアクション

もし、べと病が発生してしまった場合、迅速な対応が被害の拡大を防ぎます。

早期発見のための定期的な観察

葉の表面だけでなく、葉の裏面を定期的に観察することが大切です。降雨後や朝露の多い時期には、注意深くチェックすることで初期症状を見逃さず、早期に対処できます。

感染した株の適切な処理方法

感染が確認された株は、すぐに圃場から取り除き、適切に処分することが重要です。放置すると、新たな感染源となってしまうため、袋に密封して圃場外で処分するなど、適切な方法で処理しましょう。

予防と対策に役立つ農薬の選び方

農薬は、べと病の予防と対策において重要な役割を果たします。しかし、その選び方や使い方には注意が必要です。

農薬の種類と効果的な散布時期

べと病に効果のある農薬には、予防効果の高いものと、治療効果も期待できるものがあります。病気の発生前や初期に予防的な散布を行うことで、効果を最大限に引き出すことができます。

抵抗性の発達を防ぐためのポイント

同じ種類の農薬を連続して使用すると、病原菌に抵抗性が発達してしまうことがあります。異なる作用を持つ複数の農薬をローテーションで使用することで、抵抗性の発達を防ぎ、農薬の効果を維持することができます。

まとめ

白菜のべと病は、適切な知識と対策によってその被害を減らすことができる病害です。病気の原因や症状を理解し、栽培管理の改善、早期発見、そして適切な農薬の活用を組み合わせることが重要です。

本記事でご紹介した内容を参考に、白菜栽培におけるべと病対策を見直すきっかけにしていただけますと幸いです。

執筆者情報

株式会社ユニリタ アグリビジネスチーム

株式会社ユニリタ
アグリビジネスチーム

ユニリタのアグリビジネスチームのメンバーが執筆しています。

日々、さまざまな農家さまにお会いしてお聞きするお悩みを解決するべく、農業におけるデータ活用のノウハウや「ベジパレット」の活用法、千葉県に保有している「UNIRITAみらいファーム」での農作業の様子をお伝えしていきます。

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