農業経営における記録の重要性と記録方法の簡素化

農業経営における記録の重要性と記録方法の簡素化

この春、「UNIRITAみらいファーム」で植えたジャガイモが収穫の時期を迎えました。

当初の見込みでは、その収穫時期は、定植後90~100日程度の7月に入ってからと考えていたため、随分早い収穫になった印象です。

一般に、ジャガイモの収穫時期は、葉が黄変して茎葉が半分以上枯れた頃です。そのため、植物の状態から、収穫時期の判別は容易です。しかし、ジャガイモは、肥料切れになると茎葉が黄変しやすくなったり、疫病などの病気に感染しやすくなって葉が枯れるため、「急激に枯れた今回の栽培は適切だったのか?」、その検証が課題として残ります(イモの大きさについても、1株試し掘りしたところでは695g。やはり生育状況としては、もう一歩という所でしょうか)。

「種をまいて栽培を開始する時に、いつ頃収穫できるのかが分かること」は、非常に重要です。この収穫量の見通しが立てられれば、契約栽培や出荷約束の交渉を可能にすることができるからです。また、ひいてはそれが、将来の売上見通しにもなるため、農業経営を安定させる上でも重要です。「いつ頃植えたら、いつ収穫できるのか?」「その際に、どんな管理やどんな栽培方法をして、収穫量はどうだったのか?」この記録は、農業経営者が未来に引き継ぐべき大切な財産です。特に、翌年同時期の作付には、必ず役立つ教訓や活用材料になります。

しかし、その際に課題となるのが、農作業の記録づけとその方法です。。実際の作業現場は、土や埃、泥水などで衣服や身体が汚れるため手袋をしていることも多く、記録媒体としての紙では、汚れた手や濡れた手では触れることがままなりません。また、一方、スマートフォンなどの電子媒体も埃や水に強い訳ではないため、できるだけ利用を避けたいものです。作業終了後に落ち着いて記録する方法もありますが、状況によっては次の準備に追われることも多く、記録作業がどうしても疎かになりがちです。

私たちも、この課題に取り組みました。着眼点は、作業場でのスマートフォンの操作を極力抑えられるよう、アプリを使いストップウォッチのように作業登録ができないだろうか? です。農作業を開始する際にアプリを起動し、あとはそれぞれ、開始・終了時に「開始ボタン」・「終了ボタン」をタップするだけで、農作業の記録が残れば、最小限の手間で実施可能です。また、記録の元になる作業予定について、直近の作業履歴を元に必要項目のみ編集して予定が作成できれば、作業現場でのスマートフォンの使用を極力抑えることにもなります。

農作業の記録は「いつ、だれが、どの畑(作付)で、何の作業を、どれくらいの時間行ったか」の情報を個別に設定して登録する必要があります。複数ある直近の作業履歴の中から流用して予定作成できれば、登録にかかる余計な時間と労力を大幅に軽減できます。

私たちは、これからも、「農業×IT」で農業に関わる皆さまのお役に立てるよう取り組んでまいります。

執筆者情報

株式会社ユニリタ アグリビジネスチーム

株式会社ユニリタ
アグリビジネスチーム

ユニリタのアグリビジネスチームのメンバーが執筆しています。

日々、さまざまな農家さまにお会いしてお聞きするお悩みを解決するべく、農業におけるデータ活用のノウハウや「ベジパレット」の活用法、千葉県に保有している「UNIRITAみらいファーム」での農作業の様子をお伝えしていきます。

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