今年の栽培計画の検討にあたり
この記事は2023年1月6日に作成したものをリライトし、2024年1月30日に更新しております。
このたび発生した令和6年能登半島地震によりお亡くなりになられた方々とご遺族に心よりお悔やみ申し上げますとともに、被災された地域ならびに皆様に対し心よりお見舞い申し上げます。
皆様の安全と一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。
真冬の寒さ厳しい中ですが、「UNIRITAみらいファーム」では、ミニトマトの収穫に追われる日々です。
収穫、出荷調整作業に注力する毎日ですが、季節柄、年間の栽培計画と圃場の利用計画について検討するタイミングでもあります。
これらを検討するとき、農作業における過去の実績データを、まとめて把握可能な状態にしておくことで、次年度の計画がより立てやすくなります!
例えば、私たちが栽培計画を立てた際に考慮したのは、以下のようなポイントです。
【①作物ごとの収支を見る】
どの作物が効率よく利益を上げているのか、
または非効率で見直すべき作物はないかを点検
【②作付スケジュールを再検討する】
収支の改善を効率よく行うために、過去の収穫量や収支をもとに、
栽培期間の延長や作付の増加が有効でないか再検討する
作付や作型ごとの収支を10aあたりに補正すると、ある時期の作付(作型)特有に多くかかる経費や売上の違い、作付ごとの利益の上げやすさ(上げにくさ)が分かります。これに、時期別の取引単価(市場相場)や栽培可能な圃場の空き、人員の過不足を考慮できると、効率的に利益を上げる作付(作型)のボリュームが増やせないものか検討可能です。
【③作物ごとの各作業時間を集計する】
過去の作業時間を参考にして、各作業における無理・無駄の改善、見直しをする
播種から収穫に至るには、時期によるバラツキはありますが、累積では相当量の作業時間になります。
従来からの栽培方法を変更したり、例えば、必ず実施していた作業工程を実験的に削減してみることで、作業時間の軽減と労力・経費の軽減が図れないか検討したいです。
ただし、作物の生育に直接影響するので慎重な検討が求められます。
【④圃場ごとの栽培履歴を確認する】
連作による収穫量や秀品率の低下を、招かないようにするために計画した輪作が上手く行っているのかを考慮する
【⑤ 売上・出荷計画を達成するための作付面積であるか】
【⑥ 雇用人員:各時期における作業人員に過不足ないか 】
【⑦ 作物ごとに前年の市場相場を踏まえた作付計画であるか】
立案した計画の運用には天候の影響も踏まえた柔軟なスケジュール調整が必要です。
ここまで見ると、自然を相手にする農業経営では、経営者に求められるマネジメントの幅がいかに多岐にわたるか、またこれらの管理を一元的にすることが、どれだけ難しいか改めて考えさせられます。
ベジパレットには、上記の他に複数のグラフが用意されています。
作物別に、出荷先ごとの販売金額や販売量を振り返って、重要出荷先を見極めて翌年度の出荷量の交渉に役立てたり、販売単価の見直しに活用可能です。
これら、農業経営者が抱える課題や悩みについて、皆さまとともに解決して行きたいと思っております。
「こんな悩みを解決したいんだけど、できないか」といったご相談やご意見など随時お受けしております。皆さまからのご意見お待ちしてます。
私たちは、これからも「農業×IT」で農業経営に携わる皆さまの課題を解決できるように努力して参ります。
※上記以外に「私たちのところでは、このような事に注意して年間の栽培計画を立てています」という情報や取組みがありましたら、ぜひ、私たちにも教えていただけたら幸いです。
執筆者情報
株式会社ユニリタ
アグリビジネスチーム
ユニリタのアグリビジネスチームのメンバーが執筆しています。
日々、さまざまな農家さまにお会いしてお聞きするお悩みを解決するべく、農業におけるデータ活用のノウハウや「ベジパレット」の活用法、千葉県に保有している「UNIRITAみらいファーム」での農作業の様子をお伝えしていきます。