次世代の経営者を育成するツールとして
先月から農業経営支援クラウドサービス「ベジパレット」を使っていただくことになった農家さんのお話です。
この方は、ご両親が行うミニトマト専業の農業経営に従事して5年、後々はお父様の経営を継いで、ご自身が経営者として栽培の計画管理や販売・営業を行えるようになりたいとの事です。しかし、従業員を雇用しない現在の家族経営では、ご自身が作業員として繰り返し作業を消化するだけの人材にどうしてもなりがちだそうです。
そのため、売上や支払い管理などの経営実務に関わる機会がなく（お父様が行っているため）、どんな経営状態で利益がどれくらいになっているのかも分からず、農業経営者としての経営感覚を磨く機会は限られていると言います。一方のお父様も、その点について、息子さんの経営者としての自覚が芽生えにくく困っていたと話されます。
そんな課題をお聞きして「ベジパレット」を提案した結果、利用を決めていただきました。「ベジパレット」では、特定の作付やハウス（畑）ごとに、肥料や農薬などのかかった経費を使った分だけ計上して売上との関係を把握できます。そのため、作付ごとにどれくらい売上がないと利益が得られないのかを理解するのに役立ちそうだと話されました。
また、家族経営では、作業する家族メンバーの作業時間が際限なくタダで使えるものと捉えがちですが、時間給を仮決めして作業時間を記録することで、家族がどれだけ働いて経営が成り立っているかを客観視する材料にできそうだとも話してくれました。これらを通して、農業経営のセンスを磨き、経営改善に役立てることを期待してくれています。
農業経営は自然による影響も多く、手間暇掛けて栽培したにも関わらず、一般的には販売品一つあたりの単価は高額に設定できないため、採算面からは大変難しい経営が求められます。
私たちは、これからも「農業×IT」でデータを活用した農業経営を応援していきます。
執筆者情報
株式会社ユニリタ
アグリビジネスチーム
ユニリタのアグリビジネスチームのメンバーが執筆しています。
日々、さまざまな農家さまにお会いしてお聞きするお悩みを解決するべく、農業におけるデータ活用のノウハウや「ベジパレット」の活用法、千葉県に保有している「UNIRITAみらいファーム」での農作業の様子をお伝えしていきます。
